ホームひとりごとタイム僕を癒してくれる女性とその娘さんたち(Bさん41歳母、19・16歳の娘さん達)

 はじめに・・・

 僕の毎日の仕事は、診察(カウンセリング)をし、施術(手術・ボトックス注射など)をし、検診(今まで施術を行った人の状態や経過を診る)をしたりするのが主なものですが、一日に来院される方の中で最も多いのは検診で来られる人です。

 僕の性格(施術の結果が気になる、確認しないと気が済まない)もあるのでしょうが、僕は何回も何回もしつこいくらいに検診に来てもらっています。埋没法を行った時は1週間後くらいに必ず診せてもらっていますし、まぶたのタルミ取りやフェイスリフト、脂肪吸引や豊胸の時は手術の1週間後、2週間後、 1ヵ月後、3ヵ月後くらいに来てもらっています。しわのボトックスでさえも、笑った時に不自然な表情になっていないか、しっかり改善しているかを確認したいので、1週間後くらいに来てくださいとお願いすることも多いです。
 自分の手術した結果を長期間にわたり診続けることは、美容外科医としてとても重要であると同時に楽しみなことでもあります。ある程度自分の希望する状態になられ、満足されている患者様に時々お会いできるのはとてもうれしいことですし、医師としての自信にもつながります。3ヵ月後、半年後の検診などは、ほとんど手術とは関係のない内容の会話をしていることが多いのですが、僕にとっては気の休まる時間です。

 すべての方とそのような時間が過ごせたらいいなぁと思っているのですが、実際はそのような検診ばかりではありません。フォトフェイシャルを何回も行ったのに思うようにシミが反応してくれなかったり、切開法で二重にして、僕が1カ月くらいでほとんど腫れはひくと言ったのにまだだいぶ腫れが残っていたりと、残念そうな表情や心配そうなお顔を見る事もまれなのですがあります。

 僕が最もつらい検診は、ワキガ・多汗症の手術(アイエス式反転法)の後の検診です。この手術は完全で永久的な効果を求めると、ほぼ間違いなくワキに色素沈着などの傷跡を残してしまいます。また術後の固定の状態がよくなかったり、安静度が保たれなかったりすると、皮膚のくっつきが一部悪くなったりして、しわができてしまったりします。中には僕が術前に説明していた以上に色素沈着を起こしたり、しわのでき方がひどくなってしまうこともあり、そんな場合は術後、かなり長期にわたり何回も何回も来ていただかなくてはなりません(色素沈着には軟膏を塗ったり、光を当てるなどの治療を。しわは1本ずつ数回にわたり切除する。)
 検診の度に改善の方向に向かっている場合は良いのですが、なかなか色が思うように薄くなっていってくれない場合などは、患者様に会うのがつらいです。その方の検診の予定があると【全然薄くなっていなかったらどうしよう、何て言おう】と前日から憂鬱になっていることもあります。

 しかし僕が手術した以上逃げるわけにはいきません。その方は必ず予定を入れた日に来てくださいます。僕はまだ見放されてはいないのです。その方がまだ僕に改善の期待をかけて下さる以上、僕は何十回でも何年でも診ていこうと思います。

 

『僕を癒してくれる女性とその娘さんたち』

 そんなに大きな娘さんが2人もいるとはとても思えないような、若くて美しいお母さんが豊胸の希望で来院された。診察してみると、出産・授乳後にボリュームがなくなった感じで、出産前はものすごくきれいなバストであったに違いなかった。幸い下垂はほとんどなく、胸郭(肋骨の形状など)も形が良く、現在の乳腺量もちょうどよい具合だったので、ユーロシリコンの200ccのラウンドタイプ(普通の形)を使い、まさに出産前の若いころのバストを取り戻す事ができた。だんな様もとってもきれいだと言ってくれたようで、Bさん自身も大変満足され、検診の度に素敵な笑顔を見せてくれた。

 ある検診の時、Bさんは2人の娘さんを連れてこられた。ワキの臭いが気になると言われていた。お父さんもワキの臭いがあるとのことだった。色素沈着はおこるが2人ともまだ若いから、何年かすればほとんど気にならなくなるぐらいになると説明し、アイエス式の反転法(完治する方法)を行うこととなった。

 手術は2人とも問題なく終了し、術後の経過もワキに関しては問題なかった。だが、それ以外のところで問題が起きてしまった。2人とも術後の固定に使ったテープで肌あれを起こしてしまい、胸の一部に水ぶくれが出来てつぶれ、その部分を中心に色素沈着を起こしてしまっていたのだ。

岩本「すみません、テープあれのところに色がついてしまったので、塗る薬をお渡しします。2週間毎くらいにしばらく診せて下さい。反応を見て薬を調節します。」と言うと、
Bさん「すみません先生、ありがとうございます。」と逆にお礼を言われてしまった。

 娘さんたちにも
岩本「ごめんね。この所に色がついちゃって。だんだん良くなってくると思うから、毎日面倒だけど忘れないように薬を塗ってね。」と言うと「はい。」と言ってくれた。2人ともニコニコしていた。優しそうな笑顔だった。

 それから何度も検診をした。お母さんと娘さんたちは、クリニックに入ってくる時からいつもニコニコしていた。まだワキの色もテープあれの色も両方とも十分薄くなっていないので、本来なら気が重く、つらい検診のはずなのに、その優しい笑顔に僕は助けられ、癒されていた。

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