ホームひとりごとタイムボトックスでひどくなる眼の下のしわ・たるみ(Cさん45歳 主婦)

 半年毎に目尻のボトックス注射でこられているCさんが、今回も同じようにしてほしいと来院された。Cさんはアイエス美容クリニックが開院した時(5年前)からの患者様で、笑った時などにでる目尻のしわを気にされていた。ボトックス注射をするとかなり目立たなくなると大変気に入られていて、もう何度も治療を受けられている。
 僕は今回も同じように行おうと、まず注射するポイントを定めるために笑った表情をつくってもらった(必ず筋肉の動き、しわのできかたを見て注射するポイントを決める。一人一人でポイントは違う。)。僕はCさんの目の下から目尻にかけてのしわのできかたを見て、ちょっと難しいかなぁ・・・と思いカルテを確認すると、半年前の施術の際にも同じ事を感じていたようだった。僕はCさんに聞いてみた。

岩本「Cさん、前回注射した後どうでしたか?」

Cさん「いや、普通でしたよ。よかったです。」

岩本「そうですか。注射した後目尻はいいんですが目の下のしわがひどくなりませんでしたか?特に笑った時などに・・・」

Cさん「いいえ、そんなことないですよ・・・」

 やはりCさんは気付かれてはいないようだった。それもそうである。普通、自分の自然な笑い顔の瞬間を鏡で見る人はあまりいない。他人は気付くかも知れないが自分はなかなか判らないものなのだ。

岩本「Cさん、そろそろボトックスの治療は難しくなってきたかも知れませんね。目の下のこの部分のしわ(①のしわ)やタルミがだんだん出てきています。Cさんが当院にこられた5年前は、目の下のタルミはわずかで目尻側のくせじわ(②③のしわ)が中心でしたからボトックスがばっちり効いたんですが、だんだん目の下の症状が強くなってきているので、このような状態で目尻のボトックスをやってしまうと、笑った時の筋肉の動きが目尻方向にいかない分目の下の方向に流れるため、余計に目の下にしわがよるようになります。(①④⑤等の症状が強くなる) 半年前にもちょっとだけこの事はお話したと思うんですが、自分ではなかなか気付かないと思うんですけど、おそらく周りの人はちょっと不自然に感じていたかも知れません。」

Cさん「えっ!そうですか。どうしましょう。じゃあ目の下にヒアルロン酸はダメなんですか?」

岩本「ダメです(うつことは出来るが結果がよくない)。 ヒアルロン酸注入は適しません。目の下のしわの部分そのものにヒアルロン酸を注入してしまうと、筋っぽくなったり、注入したところの下にまた別のしわができてしまったりすることが多いんです。目の下のたるみがほとんどない状態でしたら上手くいく場合もありますが、そもそもCさんの目の下のしわは、肌質の老化とそれにともなう皮膚、筋肉のたるみでだぶついてしわになっている状態なので、やはり根本的原因の皮膚のたるみ(たぶつき)をとらないといけません。その後に目尻のボトックスを行えば、目の下から目尻にかけてはほとんど自然な感じで改善しますよ。」

Cさん「やっぱり手術ですか。そうですよね。」

 とりあえずその日はボトックスの費用を返金し、一度検討されるとの事だった。 その翌日Cさんから

Cさん「毎日仕事でお客様と会わないといけないからすぐに手術は無理だけど、まとまった休みが出来たらお願いします。それまでキュリアレーザーとかCO2レーザーとかで少しは良くなりませんかねぇ・・・?一度カウンセリングに行きたいんですけど・・・」との予約の電話が入った。

 確かにCさんの生活スタイルでは手術は難しい。手術ほどの劇的な効果はないが、改善の方向へ向かうことは間違いないので、それが今ベストな選択かもしれないと思った。

 5年という期間は、人の顔(又は、体)を変化させるのに十分な時間だ。前は可能であったのにできなくなる施術も少なくはない(まぶたがたるんで埋没法ができなくなる。バストがたれてバックの豊胸手術ができなくなる。内臓脂肪の増加や妊娠線、皮膚のたるみなどでお腹の脂肪吸引ができなくなる・・・等) 。我々美容外科医は、今目の前にいる人の瞬間を見るのではなく、過去、現在、未来とその人の変化を常に予想し、診療しなければならない。

 それにしても、患者様が5才年をとるのと同じに僕も年をとっているんだなぁと、少しさみしく複雑な思いを最近感じる事がある。

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