ホームひとりごとタイムただれたまぶたの女の子(Cさん15歳 学生)

 10月の初め、彼女は学校帰りに制服のままクリニックに来た。二重の相談でカウンセリング後すぐの手術を希望していた。僕はさっそく診察しようと彼女の眼を見ると、アイプチとお化粧で元の眼(まぶた)がどうなっているか全くわからない状態だった。僕はまず洗顔して眼のアイプチと化粧を落としてもらうようお願いした。
 そして再び診察室に入ってきた彼女を見て、僕は思わず驚き、そして聞いてみた。「いつからそんな感じなの…?」と…。
 彼女のまぶたは真っ赤っ赤のカサカサで、少しただれているような感じだった。ちょっぴり痛々しい感じもした。

Cさん「一週間くらい前から…、2日前から特にひどいかなぁ…」
 

彼女はそうあっけらかんと言った。僕はそんな彼女に重い口調で返して応えた。

岩本「Cさん、今日はちょっと手術は無理かなぁ…。今のまぶたの状態だと、いい仕上がりにならないよ。二重の手術は、手術の前に完成の状態を(特殊な器具を使って)シュミレーションして見せてあげられるんだけど、今のカサカサ・カチカチ状態のまぶたでは、正確なラインを示すことができないんだよな…。無理に手術をすれば、完成は全く違うラインになりかねないし、まぶたが荒れている分出血したり、腫れが強く出ることもあるよ。だから10日間だけアイプチをしないでくれないかなぁ…。そうしたらまぶたの荒れも治るし、皮膚がやわらかくなれば正確な手術ができて仕上がりもバッチリだから…。とにかくしっかり手術をすることが一番大事だからね…。それまで絶対アイプチをしたらダメだよ。また手術ができなくなっちゃうからね…。」

 彼女は僕の話を理解し、納得してくれたようだった。少しがっかりした様子だったが、彼女は次の手術の予約を入れて帰っていった。

 約束の10日後、彼女は時間通りにクリニックに来た。洗顔も終わり、さぁこれから手術…というところだった。がしかし…

岩本「ど、どうして…もしかしてアイプチしちゃった…?」

Cさん「うん…」
 

 彼女は今度は申し訳なさそうにそう言った。なぜなら彼女のまぶたは、10日前に見た時よりもひどい状態になっていたからだ。どうしてもっと自分のまぶたを大切にしてくれないのだろうかと、少し怒りにも似た気持ちを覚えてしまった。だがまぶたがひどくなっていくのにひたすらアイプチをやり続けた彼女の気持ちも、理解しなければならないと思った。

岩本「Cさん、今日予定通りオペしよっか…。」

 僕はニッコリと笑ってそう言った。すると彼女もニッコリと笑って小さくうなずいた。僕はしっかり正確な手術をすることより、今彼女にとってはもう明日からアイプチをさせない事の方が大切だと思った。

岩本「今日オペをすると、もしかして左右差が出たり、希望のラインと違ったりするかもしれないけど、その時はちゃんとまた僕に診せに来てね…」
Cさん「はい…。」
 

 手術は通常より少し時間がかかったが無事終了した。一ヵ月後僕が心配していた通り、左右の目頭側のラインの出方が違うため修正手術をすることとなったが、それも問題なく終わり、今は左右対称なパッチリ二重になっている。
彼女は相変わらず僕のそんな苦労も知らないであっけらかんとしていた。

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